キャナリィ・ロウは飲食店の黒船になるか

キャナリィ・ロウは飲食店の黒船になるか20130922-205409.jpg

今日のランチは春日のキャナリィ・ロウへ。ここは二月にオープンしたばかりで、愛知県が発祥のチェーン店というのは知ってたのですが、なかなか行く機会がなく、ようやく訪れる事が出来ました。

ジャンルとしてはイタリアンですが、前菜がバイキングとなっていて、サラダやスープも食べ放題。業態としては、サラダバーを付加した「ステーキのけん」以降のステーキ店に近いでしょうか。オーダーバイキング方式でメインも食べ放題の「ピソリーノ」に比べると、メインは一品のみなのが違います。

13時過ぎの入店で4組待ち。内装は木の優しさの中に照明の鮮やかさが浮かび上がり、女性だけでなく子供のワクワク感も刺激しそうです。

20130922-221943.jpg

席待ちの間に、店内のBGMが突然かかり始めました。おなじみのバースデーソングです。見ると、ローソクの立ったケーキでお祝いされてるおばあちゃんがいます。店内全員でお祝いです。

「やるねぇ」。

まぁ有りがちだけど、盛り上がったなぁ。そのくらいの感想だったのですが…その後訪れる「ホスピタリティ」の連発の序章に過ぎなかったのです。

20130922-223314.jpg

前菜バイキングは、種類は多いとは言えません。肉を使った料理もほとんど無し。でも、唐揚げとか冷奴とか適当なメニューは一つもありません。数種の野菜を使いまわしながらも、オリジナリティのある、イタリアンのアンティパストとして通用する物ばかり。

しかも、バイキングにありがちな「汚さ」が皆無。よく見ると、
スタッフが絶えず巡回してお客様がこぼした食材を片付けてます。また、冷製の前菜は、テーブル下の冷蔵庫に完成品が用意されていて、一瞬で入れ替えます。

20130922-223700.jpg

パンの替えもバスケット毎の交換。この「バイキングのメンテナンス」のスピードとクオリティは並のホテル以上。

次にスタッフの対応で感動した点を箇条書きで。

  • 追加のおしぼりが欲しいと伝えると、エプロンからサッと出して「一つで足りますか?」
  • フリードリンクのカプチーノをお代わりしようとコーヒーサーバに向かうと「カップ新しいのをどうぞ」
  • 2人でデザート1人分しか頼まなかったのに、子供と合わせて3人分のフォークを用意してくれる。しかも冷えてる!

この接客レベル、お客様満足向上第一に徹底されています。言葉で言うのは簡単ですが、「店長、スタッフにも経営視点を」などという相反するスローガンの元に、特に備品、消耗品をケチるスタッフのいる店は多いもの。この徹底度合いは流石です。

さてお食事の方は…

20130922-225201.jpg

前菜を盛ってみた。

20130922-225251.jpg

フォルマッジピザは、最後に粉チーズを「ストップ!」するまで擦り続けるサービス付き。ストップした後、スタッフが一言「遠慮してません?」

20130922-225437.jpg

秋のスペシャルメニューはドルチェ付きで単価高め。森のキノコとモツァレラチーズのラグーソース。

とにかくチーズをふんだんに使っているのが目に付きます。極めつけはコレ。

20130922-230236.jpg
シーザーサラダを自分で盛り付けられるのですが、粉チーズの山がでーん!と盛られてて、かけ放題なんです。特定の食材の仕入れを増やして原価コントロールしてるのかなぁ、と業界人らしい感想を。

20130922-230444.jpg

ドルチェはカートから三種類選び、
その場で取り分けます。

20130922-230531.jpg

スタッフはキッチン6名、ホール6名くらい、席数は80程度がほぼ満席。駐車場が100台とオーバースペックなのですが、駐車が苦手な女性客が安心できる広さです。

総じて感じたのは、今までのバイキング業態とは次元の違うクオリティ。ランチは最低で1300円台と高価格ですが、人件費をかけてチェーン店では限界とも言えるホスピタリティを実現しています。もちろんただ人を投入してるだけでは無理で、教育システムもしっかりしてるのを感じます。福岡一店舗だけでよくこのチームを作ったなと感動するやら自社が情けないやらで涙ぐんでしまいました…

この「高価格、高付加価値、高人件費」業態は、パンで言えば松島のフルフル、デザートで言えば松島のオペラや鳥栖のアンジェココ、ラーメンで言えば一風堂龍の家()など、繁盛店を数多く産み出しています。日本のサービス業の生産性の低さを指摘されて久しいですが、一つの答えがここにあるのではないでしょうか。

福岡の飲食店関係者、サービス業関係者は一度行った方がいいと思いますよ。

最後に一点だけ…味がもう少し薄くても良かった。喉が乾きましたw

キャナリィ・ロウ 春日店

電話番号
050-5788-0214
住所
〒816-0852 福岡県春日市一ノ谷6-70
営業時間
11:00~22:00(L.O.21:30)
定休日 年中無休
http://www.canneryrow.co.jp/

Category(s): おもったこと, たべる
Tags: , , ,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。