賃上げと言っても僕等の給料が上がるわけじゃないよなーという話

賃上げと言っても僕等の給料が上がるわけじゃないよなーという話さっきTVを見てたら、経済界の新年の集まりか何かで、大企業の社長さんたちが賃上げについてあれこれ言ってた。

ローソンの新浪さんが「日本経済の好転のために我々は先んじて賃上げした」というようなことを言い、一方オリックスの宮内さんは「まずは企業収益が上がらないと賃上げはない」みたいな事を言ってた。

それで、どちらの発言にも違和感を感じたし、僕達が「賃上げ」という言葉を聞いて感じる「今の会社で今の僕たちの給料が上がる」というのは幻想じゃないかと思ったので、僕の考えを書いておきたい。

例えば、お店でアルバイトを募集するとする。今実際に起こっていることだけど、若い男性アルバイトの希望者がすごく減っている。トヨタなどの製造業が期間工を増やしていることで、より待遇のいい仕事に求職者は集まっている。

で、人を確保するために応募時給を上げたりするんだけど、それによってより高い賃金を得るのは、第一にはこれから働くアルバイトさんなんですよ。

他のいい条件の仕事に今のアルバイトさんを取られないように、今のアルバイトの時給を一律上げるようなこともあるかもしれないけど、収益によりそれができるお店とできないお店が出てきて、できないお店は潰れていく。

この動きがアルバイトだけじゃなくて、正社員の間にも起こらないと本当の賃上げとは言えない。だって、今までの会社で今までの働き通りで給料だけ上がるのなら、なんで、今まで上がらなかったのかって話になる。たとえ企業業績が上がったとしても、今までこの給料でやってきた従業員の給料を上げるより先にさらなる拡大への投資にお金を使うはず。

つまり「儲かって儲かってしょうがないから業容拡大のために人を雇うためならいくらでも出すよ!」っていう成長企業に人がどんどん流入して、「うわ、このままだと好条件の企業に人材が流出するから利益の社員への配分を増やさなきゃ!」って既存の企業のうち好調なところが防衛策として賃上げする。できない企業は潰れる。

本来この流れでしか賃上げは起きないと思うんです。

労働争議が多発してた時代の「企業と従業員対立構造」、高度成長期の「企業と従業員一体構造」から、現在は「企業と従業員契約構造」に変わっていかないといけない。

ということで、大きな話でいうと、やはり雇用の流動化がないと、社会主義的な「要請して賃上げ」で終わり。これは大企業止まり。成長産業、成長企業に人を動かそうよ、と。そして小さい話で言うと、僕らは口を開けてお給料が増えるのを待つのは愚の骨頂で、いつ転職しても新しい会社で対価がもらえる能力を身につける努力を続けること。もしくは今の会社が防衛的賃上げが出来るくらいの業績になるように、俺が上げてやろうくらいの気持ちで仕事すること。

そんなことを思ったのでした。

Category(s): おもったこと
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